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プラダを着た悪魔

Thumb08Thumb05Thumb06久しぶりに難しいことを考えずに楽しめる映画を見ました。「プラダを着た悪魔」です。男性の私にも十分楽しめました。女性なら、なおのこと楽しめるでしょう。ブランド好きの女性ならなおさらです。登場人物が着る服もさながらファッションショーのようにきらびやかです。

お話は、ファッションにそんなに興味のない主人公アンディがファッション業界随一の雑誌「ランウェイ」で編集長ミランダの秘書となり、変身し大きく羽ばたく?というもの。まあ、よくあるお話です。ですが私の大好きなお話でもあり1時間50分があっという間でした。主演のアン・ハサウェイは キュートでカワイイのですが、それよりも上司のミランダ役メリル・ストリープがいい演技です。冷徹な女性をうまく演じています。それと主人公の相談役ナイジェルのスタンリー・トゥッチ。彼の存在が映画を引き締めています。主人公がくじけそうになった時にガツンと一撃を浴びせ、彼は主人公 の変身の手伝いをすることになります。ファッション業界のウラを垣間見ることもでき、非常に楽しめる映画です。

と、ここまでは良かった部分のお話で、ここからは、ちょっと難癖をつけさせてもらいます。しかし見る人にとっては取るに足らない、あるいはそう感じない人もいるかとは思いますが私が思ったことは・・・。まず、上司のミランダが憎らしい上司に思えない!ってことです。彼女の要求はいわゆる一日の儀式の一部のようなもので許容できる範疇だと思うのです。夜中や朝早くにかかってくる電話もミランダが私生活を犠牲にして仕事に没頭しているという事。自分が遊んでいて仕事を言いつけるなら憎らしい上司ですが、そうではないのが画面からも伝わってくるんです。それに主人公が変身したとたん彼女を見る目が違ってきてたのが、ちゃんと部下を見ている証拠。実に人間的でその眼差しは温かみがあります。むしろ私には同僚の秘書や彼氏、友達のほうが無理を言っているような気がしてなりませんでした。私が中間管理職だからミランダに肩入れしてしまったのでしょうか?きっと主人公中心でお話をすすめた為でもあるでしょう。とても彼氏の言い分にはうなづけませんでした。もう少し彼がどんな仕事を毎日しているか、どこまでして誕生日をみんなで祝うために一生懸命やったかを描けば、違ってきたかとは思うのですが・・・。

現実の社会は映画と同じように厳しいです。夜中に電話で起こされたり、今日中の仕事を終業間際に言われたり。ただ若い人たちが見れば当然違った感じで見るんでしょう。私も20年若ければきっと主人公のようにミランダを憎らしいと思ったはずです。男性が見ても楽しめる映画。女性が見ればそれ以上に楽しめる映画であることは確かです。

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戦争と政治

「父親たちの星条旗」を見てきました。評判が高かったので客もたくさんいると思いきや20人程度でした。土曜の最終回(22:45~)だからでしょうか?

324328view001 まず始まって冒頭の硫黄島上陸の戦闘シーンがスゴイ迫力です。「プライベートライアン」と似ていて色彩を抑えた画像でドキュメンタリーのようです。あの戦場に自分がいたら生きて戻れないだろうと考えてしまいます。本当に生と死が紙一重の状況です。CGも進歩しており「プライベートライアン」よりもダイナミックです。とはゆうもののアメリカ兵にやられているのが日本兵だと考えると穏やかではありません。ですから、日本兵はなるべく顔が映らないようになっています。

324328view004 硫黄島の日本兵が防衛しているすり鉢山頂上に星条旗を立てた6人のうち生き残った3人が英雄として本国へ戻されます。星条旗を立てたときの写真が評判になり戦争に疲弊していた国民の戦意を高揚させたからです。3人は本国へ戻ると国債を買おうというキャンペーンで各地を回らされます。しかし実はこの3人が立てた国旗は取り替えるときのものであり、本当に立てた人物は他にいたのでした。そのことに悩み、政治に利用されるのを嫌う者、すべてに乗っかる者、整理がつかない者と分かれます。そのキャンペーン中にでも戦場での悪夢、幻覚に悩まされ続けます。

時折、戦場の回想場面が流れます。その中に味方の砲撃で倒れていく若者たちの場面があります。非常に胸が痛くなるシーンです。しかし戦闘はお構いなしに続きます。悪夢のような場面です。戦争の恐ろしさを伝えるのには十分です。

いつの時代も戦争と政治は切り離せないものです。戦争が外交の一手段である限り仕方のないことかもしれません。戦争は金がかかる、戦争は金が儲かる。これは現在のアメリカをみても明らかです。平凡に暮らす者達が政治に利用されないため、命を落とさないためにも戦争はしてはいけないと思うのです。

この映画はイーストウッド監督がアメリカ批判をした映画だと思います。戦争を金儲け、政治に利用したり、英雄(インディアン系)が本国で差別にあったり、職にもつけなかったり。痛烈なまでに批判しています。アメリカ嫌いの私には痛快な映画ではありました。(お話そのものは悲しい物語ですが・・・)

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7月24日通りのクリスマス

724xmas_01 「7月24日通りのクリスマス」を見てきました。ラブコメを連想していたのですが、これってラブコメ?と感じました。というより序盤はバタバタ劇っぽい進み方です。冴えない女性が昔からのあこがれの人と付724xmas_02き合うことになって・・・。というお話。なんですが、この主人公サユリ(中谷美紀)が今週の王子様ランキング(いい男をランキングにしている)とか、少女マンガに ドップリでマンガのキャラに恋していたりと、この主人公自体がマンガのキャラのようです。それに映像にアニメ調の花柄なんかを入れたりと少々やりすぎの感。あと妙な外人(おじさんと子供)が時々出てきては主人公を応援するんですが、非常に邪魔で出てくるなよ、出てくるな724xmas_03よと願いながら見ていました。やりたいことは分かるんですよ。結局は少女マンガ好きの主人公が生み出したキャラなんでしょう。しかしカタコトの日本語で話すため聞きづらく、勘弁してよって感じでした。

大筋ですが、先輩、聡史(大沢)を密かに想っている冴えない主人公サユリ。唯一の自慢はイケメンの弟。しかし、その弟が連れてきた彼女はサユリと同じような冴えない彼女。その彼女に自分の姿を投影してしまい、聡史との釣り合いを感じてしまう。自分の近くにいる幼なじみの森山(佐藤隆太)も気にかかる・・・。という、まあよくあるお話です。

幼なじみの森山がいいですね。口ではきつい事を言っておきながら、そっと主人公を見守る役。私としては森山とうまくいってほしかったです。この映画の結末を見ると「やはり女性は見た目重視なのかな?」と思ってしまいます。もちろん聡史もサユリのことが好きなのでしょうが、森山ほど想いを寄せている感じが聡史からは伝わってきませんでしたから。

余談ですが最近の邦画、まあ邦画ばかりとは言えませんがパンフレットが小さいサイズなんでしょうか?保管しておくのに非常に不便です。確かに大きすぎるサイズも困るんですが・・・。小さくても値段は一人前。なんとかならないでしょうかねぇ~。

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東野圭吾の「手紙」

「秘密」「GAME」「レイクサイド」。東野圭吾さん原作の映画は大体見てます。ミステリーとひとくくり出来ないようなものばかりです。「秘密」は原作も読みましたがラストは原作の方が数段いい出来でした。とはいうものの、どれも楽しめる出来の良い映画と思います。これはきっと原作が映像化しやすい、細部や伏線をきちんと描いている小説だからでしょう。

B000hwy2oq09 そこで今回の「手紙」です。山田孝之、沢尻エリカ、主演。この若い二人が社会派の重たいテーマの映画をどう演じ、どう表現するか、興味のあったところです。

弟を大学へやりたいがために家に忍び込み、誤って殺人を犯してしまった兄を持つ直貴(山田)。直貴を密かに想う由美子(沢尻)。殺人者の家族ということで夢(お笑い芸人)も結婚もあきらめざるを得なかったことで直貴は心を閉ざします。「兄さえいなければ・・・。」そんな兄からは毎月手紙が送られてきます。まあ、こんな筋です。

結論からいうと、なかなか頑張ったんじゃないでしょうか?特に沢尻エリカは初の母親役に挑戦し、強い女性をうまく演じきっています。主人公の直貴が物に八つ当たりするのを眉ひとつ動かさず「それで気すんだんか!」と言うところなどは迫力ありました。最近の邦画を見ると、つくづく男はダメになったなぁ~と思います。というより母は強しということでしょうか?

(この後はほんのちょっぴり内容に触れてますのでご注意ください)

この映画には、いろんな立場の人間が出てきます。殺人者、殺人者の弟、被害者の息子、元受刑者。まだあります。本当の中心的な人物は、その者たちを取り囲む普通の人たち。つまり映画を観ている私たちなのです。終盤、被害者宅を訪れた直貴が被害者の息子から兄が送り続けてきた手紙と最後の手紙を見せられます。そして「もうこれで終わりにしよう。お互い長かった・・・」と言われます。この時、涙が出てきそうになるのですが「果たして自分なら許せるだろうか?」と考えてしまいます。

ラストもいいです。兄のいる刑務所に今は売れっ子になった元相棒と慰問へ行きます。兄は、その漫才を手を合わせ涙ながらに見ます。感動的なラストですが、ここで流れる小田和正の「言葉にできない」が少々違和感がありました。何故?この歌なのか?内容的に疑問符が付きます。この歌を流すなら最後、親子三人の後姿にかぶせて流したほうが良かったんじゃないでしょうか?ここまで泣かせる演出を控え、見るものに主人公の現実を淡々と描いてきただけに私は感心しませんでした。泣かせる映画ではなく、考えさせられる映画として幕を引いて欲しかったです。

罪を憎んで人を憎まず。本当にそんなことが出来るのでしょうか?自分にこのようなことが降りかかったとき、そこまで出来るんでしょうか?また、加害者の家族が自分たちの近辺にいたとき、差別せずに受け入れられるでしょうか?罪を償うとはどういうことなのでしょうか?刑を全うすることで果たされるのでしょうか?加害者の家族はどうすればいいのか?いろんなことを考えさせられました。答えは出ません。大変なテーマを持った映画です。

主人公は心を閉ざし、あらゆることを拒絶して生きていました。想いを寄せてくれている由美子をも遠ざけたんです。そんな彼がいきなり自分たちのファン朝美と意気投合し結婚まで考えるのは、あまりに唐突な気がしました。そして、その後に由美子を受け入れ「今度は俺が君を守る」と言います。主人公の心の変化がイマイチ分かりづらかったのは私だけでしょうか?

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